2022年問題 その⑤
2021/08/20
2022年問題 その⑤
『生産緑地』所有者の意識
『生産緑地』解除が増えると言われている来年に向けて、急激な農地の宅地化を抑制するため行政は2017年以降『生産緑地』指定条件を緩和する法改正を行いました。その主なものは
・『生産緑地』の指定面積を500㎡→300㎡に変更
・『生産緑地』での設置可能な建物(ビニールハウス・温室)→(直売所・農家レストラン・製造工場・加工工場)を追加
・『特定生産緑地』として10年間の期間延長が可能(再延長も可)
・用途地域として『田園住居地域』の創設
・「都市農地の貸借の円滑化に関する法律」により貸農園経営等も可能 など…
です。業態を変更して農業関連事業が継続しやすくなります。このため、農地転用を考えていた『生産緑地』所有者の意識にも変化が見られ、2018年1月に行われた国土交通省の調査によると、約8割の農家が『特定生産緑地』の指定を受け農業を続けていく意向を示し、指定しない意向を示した農家は8%に留まったそうです。一旦急激な宅地化は抑制され、様子見の状況かと思われます。
とはいえ、人口減少が明らかでやがて8000万人時代を迎えると言われている昨今、増え続ける空家や所有者不明土地問題もあり、地価は減少傾向にあると言わざるを得ません。次回は2022年問題のまとめをお届けいたします。