境界のお話 その④
2021/09/13
境界のお話 その④
筆界特定制度について
境界には2つの種類があり、境界の場所が不明な場合、お隣同士で話し合って土地家屋調査士によって境界を定めますが、お互いの主張がかみ合わず、まれに紛争に発展する場合があります。このような場合「境界確定訴訟」によって境界を定めることになるのですが、大変長い時間がかかってしまい、訴訟に馴染まない国民性と言うのでしょうか…やはり大変な労力と費用と精神的苦痛が伴うため、利用されるケースは少ないかも知れません。
そのため、平成18年からは「筆界特定制度」という新たなしくみができました。これは、土地の所有者として登記されている人などの申請に基づいて、法務局の筆界特定登記官が外部専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて、現地における土地の筆界の位置を特定する制度です。裁判が長期化(2~3年程度)するため、時間が短縮される(それでも8カ月程度)というメリットがあるものの、もともとの筆界を決めるだけで所有権界を定めるものではなく、納得がいかない場合には結局訴訟に発展することもあるそうです。境界に争いがある場合の指標にはなるかも知れませんが、やはり完璧な制度とは言えないかも知れませんね。ちなみにこの制度が利用された土地の登記簿(履歴事項証明書)にはその旨が記載されることになります。
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